外国人介護人材受入れコラム
ヒューマンライフケア株式会社の「特定技能登録支援事業」では、長年の介護事業での実績を活かし、
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【最新動向】
給付と負担の見直し、訪問系サービスなどの改定議論を読み解く

2027年度の介護保険制度改正・介護報酬改定に向けた議論が、具体的な制度設計やサービス別の検討へと進んでいます。
特に注目したいのが、厚生労働層が10月20日(火)に公開した「第136回社会保障審議会介護保険部会」の議事録と、10月19日(月)に開催された「第271回社会保障審議会介護給付費分科会」の資料です。
第136回介護保険部会では、介護保険料、給付と負担、介護情報基盤、経営情報の分析、給付適正化、事業者間の連携強化が議論されました。一方、第271回介護給付費分科会では、訪問介護や訪問看護、居宅介護支援など6サービスについて、次期報酬改定に向けた検討が行われています。
今回は、これらの公表資料を中心に、介護事業の経営者・人事採用責任者が押さえておきたい制度改正のポイントと、今後の事業運営への影響を整理します。
介護保険料の見直し―負担能力に応じた制度への変換
第136回介護保険部会の最初の議題は「第1号保険料の在り方」です。
65歳以上の第1号被保険者が負担する介護保険料について、所得に応じた負担の在り方が検討されています。
介護保険料は市町村ごとに設定され、所得段階に応じて負担額が変わります。今後は、高齢化による給付費の増加に対応しながら、低所得者への配慮と負担能力に応じた公平性をどう両立させるかが焦点となります。
事業者にとっては、保険料の見直しそのものが直接的に介護報酬を変えるわけではありません。しかし、高齢者の経済的負担に対する意識が高まれば、保険外サービスの利用や施設選択にも影響する可能性があります。
経営上のポイント:利用者の所得・負担状況を踏まえ、介護保険サービスと保険外サービスの料金体系を分かりやすく説明できる体制が重要です。
給付と負担の見直し―利用者負担とサービス利用への影響
同部会では「持続可能性の確保(給付と負担)」も主要議題となりました。
介護保険制度を維持するためには、給付費の増加に対応する財源の確保と、必要な介護サービスへのアクセスを両立させる必要があります。
この議論では、利用者負担の在り方や給付範囲の見直しなどが重要な論点になります。
仮に利用者負担が増えれば、サービス利用回数の調整や利用控えが発生する可能性があります。特に通所介護や訪問介護など、継続的な利用を前提とするサービスでは、稼働率や収益への影響を考慮する必要があります。
ただし、具体的な負担割合や給付範囲の変更が決定したわけではありません。
経営上のポイント:利用者負担が変化した場合の利用率・売上への影響を試算し、必要なサービスの継続利用を支える相談体制を整えることが求められます。
介護情報基盤の整備―情報連携と業務効率化を推進
第136回介護保険部会では「介護情報基盤」についても報告されました。
介護情報基盤は、利用者の介護に関する情報を、自治体や介護事業所、医療・介護関係者などが必要に応じて共有するための仕組みです。
これまで紙やFAXなどで行われてきた情報のやり取りを効率化し、転居やサービス変更時にも必要な情報を活用しやすくすることが期待されます。
事業者側では、情報連携に対応するためのシステム環境、個人情報の管理、職員のICT教育が重要になります。
経営上のポイント:既存の介護ソフトの対応状況を確認し、紙による情報共有や二重入力が発生している業務を洗い出すことが有効です。
経営情報の調査・分析―自法人の経営指標を把握する重要性
同部会では、介護サービス事業者の経営情報の調査・分析についても報告されました。
この仕組みは、介護事業者の収益や費用などを把握し、介護保険制度の運営や報酬改定に活用するためのものです。
事業者にとって重要なのは、制度上の報告対応だけでなく、収益構造を客観的に把握することです。
例えば、同じ売上規模でも、人件費率、採用費、稼働率、事業所の規模などによって収益性は異なります。
報酬改定による影響を判断するためには、法人全体の損益だけでなく、サービス種別・事業所単位での経営分析が欠かせません。
経営上のポイント:事業所別の営業収益率、人件費率、採用コスト、稼働率などを継続的に確認し、報酬改定に備えた経営シミュレーションを行うことが重要です。
介護給付適正化と事業者間連携―運営管理の質が問われる
第136回介護保険部会では、介護給付適正化に向けた取り組みと、介護事業者の連携強化についても報告されています。
介護給付適正化は、必要なサービスを適正に提供しながら、不適切な請求や給付を防ぐための取り組みです。
事業者には、サービス提供記録、ケアプラン、請求内容の整合性を確保することが求められます。特に複数の事業所を運営する法人では、事業所ごとに記録方法や請求確認の手順が異なると、管理上のリスクが高まります。
また、事業者間の連携強化については、地域で必要なサービスを維持するため、法人間での協力や業務の共同化などが検討上の重要なテーマとなります。
経営上のポイント:請求・記録業務の標準化を進めるとともに、採用、研修、ICT導入などについて、他事業者との共同化が可能な業務を検討することが重要です。
10月19日の介護給付費分科会―訪問系6サービスの報酬改定議論
第271回介護給付費分科会では、2027年度介護報酬改定に向けて、訪問介護、訪問入浴介護、訪問看護、訪問リハビリテーション、訪問療養管理指導、居宅介護支援の6サービスについて、それぞれ資料が提示されました。
事業者が注目したいのは、各サービスの特性に応じた運営課題です。
サービスごと 経営上、確認したいポイント
| 訪問介護 | 人材確保、移動時間を含む業務効率化、サービス提供体制 |
| 訪問入浴介護 | 複数職員によるサービス提供と人員配置の効率 |
| 訪問看護 | 医療ニーズへの対応、緊急時対応、医療・介護連携 |
| 訪問リハビリテーション | 生活機能の維持・改善、多職種との連携 |
| 居宅療養管理指導 | 医療専門職と介護事業所の情報共有 |
| 居宅介護支援 | ケアマネジャーの業務負担、適切なケアマネジメント |
これらは公表資料を踏まえ、事業者側で検討しておきたい経営課題を整理したものです。個別の報酬単位や加算案件が決定したことを意味するものではありません。
特に訪問介護と居宅介護支援は、地域の在宅介護サービスを維持するために重要な役割を担います。今後の報酬改定では、現場の負担に対応しながらサービスの質を確保できる制度となるかが注目されます。
次に確認すべき論点
10月26日(月)開催の第137回介護保険部会では、「持続可能性の確保(給付と負担)」「要介護認定」「介護支援専門員法定研修の見直し」が議題となりました。
本稿公開時点ではまだ議事録が公開されていませんが、給付と負担については前回までの議論を踏まえ、制度の持続可能性と利用者への影響をどのように整理するかが注目されます。
また、要介護認定については、認定手続きの効率化や適切な認定の確保が事業者の実務に関係する論点です。
介護支援専門員の法定研修についても、研修負担と専門性の確保を両立する方向性が重要となります。
いずれも、今後の制度改正に向けた議論を継続的に確認する必要があります。
まとめ―2027年度改定に向け、経営管理と業務改革を一体的に
今回の審議会資料から読み取れるのは、2027年度の制度改正・報酬改定が、単なる報酬単価の調整だけではなく、介護保険制度の持続可能性、経営情報の活用、業務効率化、地域のサービス提供体制といった幅広い課題に関わっていることです。
介護事業者には、制度変更の内容が決まるのを待つのではなく、現段階から自法人の経営状態を把握し、必要な改善に着手することが求められます。
特に、事業別の収益性の把握、職員の業務負担軽減、ICTによる情報連携、地域の事業者との協力体制は、今後の制度改正の内容にかかわらず、取り組む価値のある課題です。
2026年度下期は、2027年度以降の介護経営に向けた準備期間と位置づけ、経営と現場の双方から運営体制を見直していくことが重要です。
【参照・出典資料】
第136回社会保障審議会介護保険部会・議事録(2026年10月20日公開
第136回社会保障審議会介護保険部会・配布資料(2026年9月18日)
第271回社会保障審議会介護給付費分科会・配布資料(2026年10月19日)
第137回社会保障審議会介護保険部会・開催案内(2026年10月20日公表)
社会保障審議会介護保険部会・会議一覧
※公開日:2026年10月26日













