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外国人介護人材受入れコラム

 

ヒューマンライフケア特定技能コラム バックナンバー

ヒューマンライフケア株式会社の「特定技能登録支援事業」では、長年の介護事業での実績を活かし、
介護事業者様の外国人介護人材受入れをサポートしています。
このサイトでは、外国人介護人材の受入れに関連するコラムを随時更新してまいります。

 

 

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特定技能「介護」の受入れ停止回避へ?

 

特定技能「介護」の受入れ停止回避へ?

 

 

2026年10月13日(火)付の日本経済新聞は、政府が特定技能制度における「介護」と「医療・福祉施設の給食業」の受入れ停止を回避するため、分野や制度間の受入れ人数枠を変更する方向で調整していると報じました。

 

特に介護分野では、2027年4月に始まる育成就労制度の受入れ枠から約2万人を特定技能に振り替える案が浮上していると報じられています。実現すれば、特定技能の受入れ停止時期を先延ばしにできる一方、育成就労制度による新規採用の余地が大幅に縮小する可能性があります。

 

この問題は、外国人介護人材の採用を計画する事業者にとって、単なる制度変更ではありません。特定技能による即戦力採用と、育成就労による中長期的な人材育成のどちらに重点を置くべきか、採用戦略そのものにかかわる重要な動きです。

 

 

 

特定技能「介護」は受入れ上限の約64%に到達

出入国在留管理庁の公表によれば、特定技能1号と育成就労について、それぞれ分野別の受入れ見込数が設定され、上限として運用されます。

 

2029年3月末までの特定技能1号の受入れ上限は、全分野合計で80万5,700人です。育成就労の42万6,200人と合わせると123万1,900人となります。ただし、これは新たに入国できる人数の合計ではなく、在留者数を含めた上限です。

 

介護分野の特定技能1号受入れ状況

 

同紙によると、現状の増加ペースが続けば、2027年度後半に介護分野の新規受入れが停止される可能性が政府内で想定されていたとのことです。

 

実際に外食分野では、受入れ上限への接近を受けて2026年4月に新規の在留資格認定証明書の交付停止措置が実施されました。介護分野でも同様の事態が起きる可能性は、採用計画上の現実的なリスクと言えます。

 

 

 

「2万人の振替」で特定技能の採用継続を図る政府案

今回報じられた政府案の中心は、育成就労制度の介護分野に設定されている人数枠から約2万人を特定技能に振り替えるというものです。

 

まだ正式決定された受入れ枠ではありませんが、イメージとしては下記のようになります。

 

 

特定技能1号 12万6,900人 ↗ 約2万人増 約14万6,900人
育成就労 約3.3万人 ↘ 約2万人減 約1.3万人

 

 

この案が実現すれば、特定技能の受入れ可能人数は従来比約15.8%増加します。一方、育成就労の受入れ枠は約6割減少する計算です。

 

特定技能の採用を継続できる期間が延びることは、採用を急ぐ事業者にとって朗報です。しかし、人数枠そのものを新たに増やすのではなく、別制度から移す仕組みであるため、外国人介護人材の確保という課題が根本的に解決するわけではありません。

 

また、振替が実現しても、その後の採用増加によって再び上限に接近する可能性があります。採用継続が恒久的に保障されるものではない点に注意が必要です。

 

 

 

2027年4月開始の育成就労制度への影響

育成就労制度は、技能実習制度に代わり2027年4月1日に施行される予定です。原則3年間の就労を通じて、特定技能1号の水準に達する人材を育成することを目的としています。

 

2026年1月には分野別運用方針が閣議決定され、その後、介護分野固有の要件や育成・キャリア形成プログラムなども厚生労働省から示されています。

 

従来の技能実習制度と比較すると、育成就労制度では本人の意向による転籍が一定条件の下で認められることや、日本語能力の向上、計画的な技能育成が重視されることが大きな特徴です。

 

介護事業者にとっては、採用後の日本語教育、介護技術の習得支援、キャリア形成、職場定着のための体制整備が、これまで以上に重要になります。

 

今回の振替案が実現した場合、育成就労による新規受入れ枠が縮小するため、特に技能実習を中心に外国人材を確保してきた事業者は、従来の採用モデルを見直す必要があります。

 

特定技能は一定の技能・日本語能力を備えた人材の採用に適する一方、育成就労は時間をかけて人材を育てる仕組みです。両制度の役割の違いを踏まえた採用計画が求められます。

 

 

 

外食業・給食業の動向から見える制度上の課題

今回の報道では、介護と並んで医療・福祉施設の給食業についても、2026年4月から新規受入れが停止された外食業分野から、医療・福祉施設の給食業を飲食料品製造業分野へ移すという案が報じられています。

 

これが実現すれば、2027年4月にも新規の資格認定が再開する見通しですが、移管先の飲食料品製造業分野でも受入れ上限への接近が懸念されています。

 

この動きが示すのは、外国人材の需要が多い分野で、制度上の人数枠と実際の人手不足との間にずれが生じているという問題です。

 

出入国在留管理庁の公式Q&Aでは、受入れ上限を超えることが見込まれる場合、特定技能1号については在留資格認定証明書の交付を、育成就労については育成就労計画の認定を、一時停止する仕組みが説明されています。

 

介護分野でも、今回の振替案だけで採用環境が安定すると考えるのは早計でしょう。

 

 

 

介護事業者が2026年度下期に取り組むべき対策

こうした制度変更の可能性を踏まえ、介護事業者には次の対応が求められます。

 

1. 2027年度の外国人材採用計画を複数のシナリオで策定する

特定技能の受入れ枠が拡大する場合と、現行枠が維持される場合の両方を想定し、採用人数、入国予定時期、紹介会社との契約条件などを見直す必要があります。

 

2. 育成就労制度への対応準備

厚生労働省は介護分野特有の要件や育成・キャリア形成プログラムを公表しています。また、育成就労制度で外国人材を受入れる法人は、計画認定申請などに先立ち「介護分野における特定技能・育成就労協議会」への加入等が必要とされています。既に特定技能で加入している場合も、育成就労の受入れには別途手続きが必要です。

 

3. 既存の外国人職員の定着とキャリア形成の強化

新規採用が制限されるリスクに備え、日本語学習支援、介護福祉士国家試験への挑戦支援、職場内の相談体制整備などを通じ、長期的に働ける環境を構築することが重要です。

 

特定技能から介護福祉士資格の取得を経て、在留資格「介護」へ移行するキャリアパスも、中長期的な人材確保の観点から改めて検討する価値があります。

 

 

 

今後の焦点は政府の正式決定と受入れ枠の運用

日本経済新聞によれば、政府は2026年10月中旬の有識者会議で議論し、年内の閣議決定を目指すとしていますが、政府側からの発表はされていません。

 

今後は有識者会議の議論や、分野別運用方針の改正、受入れ上限の見直しに関する発表を、継続的に確認する必要があります。

 

今回の動きは、介護の特定技能採用が当面継続できる可能性を示す一方、育成就労を含めた外国人材の受入れ体制が大きな転換点にあることも浮き彫りにしました。

 

介護事業者にとって重要なのは、受入れ停止が回避されるかどうかを待つことではなく、制度変更に左右されにくい採用・育成・定着の仕組みを整えることです。2027年度を見据え、特定技能による採用と、育成就労による人材育成を組み合わせた、中長期的な人材戦略への転換が求められています。

 

 

 

【参照・出典資料】
日本経済新聞(2026年10月13日付朝刊)「特定技能『給食』『介護』の採用継続へ 政府が区分変更案、制度に綻び」
出入国在留管理庁「第14回特定技能制度及び育成就労制度の基本方針及び分野別運用方針に関する有識者会議」
出入国在留管理庁「育成就労制度Q&A」
厚生労働省「介護分野における育成就労制度について」
厚生労働省「特定技能制度及び育成就労制度に係る制度の運用に関する基本方針の概要」

 

 

 

 

※公開日:2026年10月20日

 

 

 


 

 

 

 

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